パタゴニア パイネサーキットトレッキング10泊11日 その3「天候に恵まれない過酷な日々」

paine_top3

パイネサーキット 4日目 [2010/2/8]

くもり→雨→晴れ
Campament Las Perros→Campament Paso
12km 5h55m


サーキット最高度の峠を越える。今まで歩いてきた方角は天気だが、峠の方はどうも怪しい。今にも雨が降りそうだ。降るなら雪であって欲しいと思いつつ、寒さに震えながら出発。谷の両側の山々は大小の氷河を抱えていて貫禄がある。風はまだまだ弱いので快適に進む。


峠から振り返る景色もなかなか。


峠近くには氷河が横たわっている。
 
 
ある程度が高度が上がり、雪渓が現れ始めた頃、雨が降り出し、風が吹き始めた。小休憩をして一気に峠を越すことにした。


峠に着くと目の前にはGrey氷河がドドーンと横たわっていた。こんな大きさの氷河は初めてだ。本当に『大河』。デカイ!しかし生憎の天気。風が雨と共に吹き抜けるのでそのまま楽しむこともできず、すぐに下山にかかった。


今日のランチはどうしてもGrey氷河を見ながら食べたかった。雨風の中ではあるがランチをしてみたが、予想通りすぐに手が悴んで、寒気もしてきてとても楽しめない。外国人トレッカーもアメージングだけど食事は無理だよ〜って笑顔で話しかけていった。残念ながら10分ほどで切り上げる羽目に。楽しみの1つだけあって悔しかった。

ドロドロの下り道を滑るように進み、森に入って風からも守られるようになってやっと一安心できるようになった。


終盤に日差しが少し差してきたので、Grey氷河の見えるところでランチ分まではしゃいだ。


氷河は光を浴びると一層白くそして青く輝く。本当に美しい。
 
 
本日のキャンプ場Campament Pasoは無料。ちょっと小さめで飲料水は近くの沢から。汗もかいたのでサクッと洗濯もした。テントに入ると太陽熱で暖かい。やっと心安らぐ時間になった。

しかし夕食が終わる頃にはまた雨が・・・、しかも激しい。テントがみるみる泥だらけになっていく。。。
 
 
 
 

パイネサーキット 5日目 [2010/2/9]


Campament Paso→Campament Grey
10km 4h

雨は激しいまま、まだ止んでなかった。今日は距離が短いので止むまで待つことにした。昼まで待てども止まず・・・。仕方なく雨の中ドロドロのテントを片付けて出発。雨が降ると本当に寒く感じる。片付けと準備で手はすでに冷え切っている。


Grey氷河の見渡せるポイントは無数にあった。天気が良ければこんないいトラックはないのに・・・。


クレパス部分の青色は本当に濃いね。
 
 
 
とにかく体が冷えないようひたすら歩く。

「過酷」

こんな言葉が頭を過ぎる。1年間という時間を使ってまでしたかったことは、こんな過酷なことだっけ?って自問自答を繰り返す。正直シンドイ。目的が次のキャンプ場への移動になってる。

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1つ嬉しかったことは今日のキャンプ場Campament Greyにホットシャワーがあったことかな。
 
 
 
 

パイネサーキット 6日目 [2010/2/10]


Campament Grey→Paine Grande
11km 4h10min

天気が良ければGrey氷河でアイスハイクをするつもりだったが、今日も良くないまま。断念するしかなかった。

2日目以降5日連続で天気には恵まれていない。運がないのかパイネがそういう場所なのか・・・。1日停滞して天候回復を待っても良いが、まったく期待できない。サーキットを完歩することを最優先にして次のPaine Grandeを目指すことにする。

ここからは「W」というパイネで最もメジャーなコースに入るので日帰りトレッカーも多くなる。
 
 

何度も振り返りながらGrey氷河を後にする。


天気は次第に悪化。パタゴニアの風も雨と共に吹き始めたLaguna Los Patosが思いっきり時化ている。追い風なので辛くないけどフラついて危険だった。残り1時間くらいは雨も酷くなった。

もはや修行の領域だ。本気で山小屋(と言っても超快適なロッジ風)に泊まろうと考えたが思いとどまる。強風にテントを持っていかれないように最新の注意を払って設置。吹き飛ばされたテントの残骸があり、強さを物語っている。体の冷え具合はもうギリギリのラインだった。

明日、もし同じような天気なら山小屋に泊まり、サーキットだけはなんとか完歩して、「W」は後日再チャレンジして歩き直そう。

気持ちもギリギリのところ、もう折れてもいいのかもしれない。明日の天気が良くなりますように!と毎日お願いしていたけど、もうお願いするのはやめた。

どんな天気になっても完歩だけはする。
楽しむ余裕はこの時点ですでになくなってしまった。テントの中のコーヒータイムとご飯が唯一の楽しみだった。

夜中も今までで一番の強風がずっと吹き続けた。テントは聞いたことのないギシギシという音を発し、揺れまくった。風の塊がテントにぶつかる度に、体まで動いた。寒いのに加えて風の恐怖でまったく寝れなかった。

「どうかテントが壊れませんように・・・」
祈るような思いだった。

 

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